目次
Elastic stack (Elasticsearch) Advent Calendar 2019の1日目の記事になります。
まだ、1ヶ月を残してますが、簡単に今年起こったことを振り返ってみようと思います。毎年恒例ですね、ここ数年。
Elastic Stack 6.6.0リリース(1月)
Elastic APMが6.6のリリースと同時にElastic CloudでAPM Serverが無料で利用できるようになったのが地味に便利でした。APMのデモをやるために、それまでは手元にAPM Serverの起動が必要だったので。。。
ユーザーの方たちにはIndex Lifecycle Management(インデックスライフサイクル管理:ILM)がリリースされたのが便利だったと思います。 まだ、ベータでしたが、インデックスの世代管理を格段に便利にしてくれるツールになり、現在では必須アイテムとなっています。 もう一つ、地味に便利なのは、KibanaからElasticsearchへの接続を複数指定できるようになった点かと思います。
Elatic Common Schemaのベータリリース(2月)
Elastic Stackではメトリック、APM、ログなど、様々なデータを一元的に可視化することができるという利点があります。ただ、一元的にデータを可視化、検索するためには異なるデータセットに統一されたフィールド名が欠かせません。そのための手段としてElasticが公開したのがElastic Common Schemaです。 各種データの項目名、型などを共通化する仕様をGitHub上で公開しています。最近のBeatsのモジュールはこのElastic Common Schemaに則ってデータが定義されるようになってきています。これにより、ログからメトリックへ、APMからログデータへというシームレスな移動ができるようになっています。
Elastic Stack 6.7.0リリース(3月)
Elastic MapsやUptimeといった、これまでの可視化とは異なる便利なアプリが増え始めました。Mapsでは地図の表現が格段にアップしたので、コレまで以上に地理情報と合わせた可視化が楽しくなりました。
もちろん、基本的に必要な技術が着実にGAされていくのもElastic Stackの素晴らしい点です。
- Index Lifecycle Management(ILM)がGA
- Cross Cluster Replication(CCR)がGA
- CanvasがGA
- Logs & Infra UIがGA
Elastic Stack 7.0.0リリース(4月)
メジャーバージョンのリリースです。 KibanaのUIが刷新されたり、Elasticsearchのクラスター管理の機能が新規に構築されたり、様々な改善がこのリリースでも入っています。また、メジャーバージョンのリリースのタイミングが、さまざまな大きな仕様の変更や改善が入るタイミングでもあります。これまで以上にパフォーマンスが改善(Top-Nクエリ高速化など)されたり、新しい機能の追加(ナノ秒のサポート)されたりしました。
Elasticsearchのセキュリティの主要な機能が無料に(5月)
6.8.0および7.1.0のリリースはこの機能の無償提供となりました。 結構衝撃的な話だったのではないかなぁと。これ以前は有償の機能だったセキュリティの以下の機能をElastic License配下で無料で提供する形に変わりました。まだ、ご存知でない方は、データの安全のためにもセキュリティ機能を利用することをおすすめします。
- TLSによる通信暗号化
- ユーザー作成と管理にファイルおよびネイティブのレルム認証を使用可能
- クラスターAPIとインデックスに対するユーザーアクセスの管理にロールベースのアクセス制御を使用可能、またSpaces機能でKibanaのマルチテナンシーの安全性を向上
Elastic{ON}19開催(5月)
今年も東京で開催しました。ビデオなどはこちらで公開されています。 https://www.elastic.co/elasticon/tour/2019/tokyo
今回も偉そうにElatic Stackの新しくなった点を紹介するなどしてました。。。
Elastic Stack 7.2.0リリース(6月)
Elastic SIEMがベータリリースされたのがこのタイミングです。 2月の発表したElastic Common Schemaをフルに活用していると言ってもいいのがこの機能になります。まだ今後もどんどん改善が入るであろうきのうになります。
また、Elasticsearchをバックエンドにした検索ミドルウェアとして利用いただけるElastic App Searchのセルフマネージド版もこのタイミングでリリースされています。
さらに、このリリースの直前にはElastic Cloud on Kuberunetes(ECK)というものベータリリースされました。少しわかりにくいかもですが、ElasticsearchやKibanaをKubernetesのOperatorとして利用できるようになっています。こちらもElastic Licenseでリリースされているのでk8s上でKibanaやEsを管理しようとしている方は触ってみると面白いかもです。
Elastic Cloud Elasticsearch ServiceがGCP日本で利用可能に(7月)
Elastic Cloudもプラットフォームが拡大した年でした。 Google Cloud Platformの東京リージョンを選択できるようになりました。さらなる統合(支払いをGCP経由にまとめたり、GCPのコンソールから利用できたりなど)も進んでいます。
Elastic Stack 7.3.0リリース(8月)
データフレームと呼ばれるデータ取り込み時のピボット機能が導入されました。また、MapsのGAリリース、Elastic APMの.NETエージェント正式リリースなど、細かいですが様々なものがリリースされています。
Elastic Cloud Elasticsearch ServiceがAzureで利用可能に(9月)
Microsoft Azureへのデプロイも可能になりました。残念ながらまだ日本リージョンには来ていないですが、今後出てくるはずです!さまざまなクラウドベンダーのサポートにより、より多くの人に使っていただけるようになるのかと。
Elastic Stack 7.4.0リリース(10月)
もう7.4.2まで出ていますが、いい感じの間隔で7.0、7.2、7.3と来ていますね。 7.4では、スナップショットリストアがKibanaから簡単に行えるようになりました。これまではKibanaのConsoleでJSONを見ながら管理されていたかもですが、GUIにより今どんなスナップショットがあるのか、どれをリストアするのかといった操作が簡単にできるようになっています。
KibanaについてはPKI認証のサポートなども始まり、様々な認証方式でより便利にKibanaが使えるようになっています。
12月?
12月ですし、Elasticsearch勉強会では「LT&忘年会」ということで、懇親会がメインの勉強会として12/6に開催します。悪路クエストの緑川さん、吉岡さんに主体となっていただき、マイクロソフトさんを会場に借りて開催予定です。興味のある方はぜひご参加ください。 LTもおまちしています!
まとめ
駆け足でしたが今年を振り返ってみました。 今年も色々ありました。残すところあと1ヶ月です!
さて、Elastic Stack Advent Calendar 2019は今日から25日まで続きます。今年はその2もできています!こらからの記事を楽しみにしています! 本日はその2で[kaibadash@github]さんが「5分でできるElastic stack環境構築」というのを書いてくれてるはずです!
ということで、次はKunihikoKidoさんの「 Elastic Cloud を使うようになって設計方針やら変わったことについて書きます。」になります。お楽しみに!
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